FILE 208 ・京芸現役合格を目指すには

1.京芸入試の特徴(FILE207より引き続き掲載)

1)実技試験の内容と必要科目
2)大学入学共通テストの科目数と配点

1)実技試験の内容と必要科目

京芸入試には、実技系の学科(※美術科、工芸科、デザイン科)には同じ内容の実技試験(描写・色彩・立体の3科目)が課せられるという特徴があります。(※総合芸術学科は描写・小論文)

  学科(コース)と実技試験の関係 所要日数 必要科目
京芸

美術科、工芸科、デザイン科共通

2日
描写 色彩 立体
総合芸術学科 1日
描写 小論文  
他の
国公立
芸大
学科(コース)別試験 最多4日~最少1日 最多4科目~最少1科目
私立
芸大
学科別試験/共通試験 最多2日~
最少0日(共通テストのみ)
最多2科目~
最少0科目(面接のみ/共通テストのみ)

■国公立芸大では、多くの場合、学科(コース)によって実技試験の内容が異なります。
一般的には、
・美術系学科:描写+専門科目1つの計2科目
・デザイン、工芸系学科:描写+専門科目2つの計3科目
というパターンが多いようです。
1科目のみという大学もありますが、平均すると、「描写+専門科目1つの計2科目」というパターンが主流だといえるでしょう。

■私立芸大では、「描写+専門科目1つの計2科目(主に関東系)」と「専門科目1科目のみ(主に関西系)」の2つに大別されます。

■これに対し12年度入試以前の京芸の実技試験は、名目上は3科目であるものの実質は4科目※であり、かなり必要科目数が多いという印象でした。しかし、13年度入試以降は色彩における第一課題(着彩描写)が廃止されたため、名目通りの実技3科目となり、必要科目数が多いという印象はやや薄らいでいます。
※描写・色彩・立体の3科目ですが、色彩に第一課題(着彩描写)と第二課題(色彩表現)がありました。

国公立の代表的な芸術系大学の実技試験内容 (例年実施されている内容 ※変更の可能性あり)

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美術系
一次審査のある大学 一次試験 二次試験
東京藝術大学
(前期日程)
日本画 鉛筆素描
(2日間/12時間)
着彩写生
(2日間/11時間)
油画 素描
(5時間)
絵画
(3日間/計18時間)
愛知県立芸術大学
(後期日程)
日本画専攻 石膏素描
(6時間)
水彩画
(2日間/8時間)
油画専攻 素描
木炭または鉛筆
(併用も可)
(6時間)
油画または水彩画
(2日間/8時間)
金沢美術工芸大学
(中期日程)
日本画専攻 鉛筆写生
(7時間)
着彩写生、及び面接
(7時間半)
油画専攻 木炭デッサン
又は鉛筆デッサン
(7時間)
油彩又はアクリル、及び面接
(2日間/10時間)
※今年度は実技実施せず面接のみ
一次審査のない大学 課題1 課題2
広島市立大学
分離分割方式
日本画専攻
(後期日程)
鉛筆素描
(2日間/12時間)
着彩写生
(2日間/12時間)
油画専攻
(前期日程)
石膏像デッサン
木炭又は木炭・鉛筆併用
(2日間/12時間)
油彩(人物)
(2日間/12時間)
デザイン系
一次審査のある大学 一次試験 二次試験
東京藝術大学
(前期日程)
デザイン科 鉛筆写生(7時間) デザイン1(6時間) デザイン2(6時間)
工芸科 鉛筆写生(7時間) 平面表現(6時間) 立体表現(6時間)
金沢美術工芸大学
(中期日程)
デザイン科
鉛筆デッサン
(5時間)
専門科目/専攻別 (4時間)
+作品説明・面接
工芸科 鉛筆デッサン(5時間) 色彩表現(5時間)+面接
一次審査のない大学 課題1 課題2 課題3
愛知県立芸術大学
(後期日程)
デザイン・工芸科
デザイン専攻
描写
(5時間/1日目)
色彩構成
(4時間/2日目)
立体構成
(4時間/2日目)
デザイン・工芸科
陶磁専攻
描写
(6時間/1日目)
感覚表現[平面]
(4時間/2日目)
感覚表現[立体]
(4時間/2日目)
沖縄県立芸術大学
(前期日程)
美術工芸学部
デザイン専攻
素描
(6時間/1日目)
色彩構成と立体構成
(2.5時間と2.5時間/2日目)
3日目 面接
※今年度は実技試験は提出型+面接をオンラインで行う
美術工芸学部
工芸専攻
素描
(6時間/1日目)
色彩構成
(6時間/2日目)
※今年度は実技試験は提出型+面接をオンラインで行う
岡山県立大学
(前期日程)
デザイン学部 鉛筆デッサン(3時間)+面接

2)大学入学共通テストの科目数と配点

京芸の大学入学共通テスト(以下共通テスト)では、美術科・工芸科は4科目(配点は共通テスト500/実技750)、デザイン科は5科目(共通テスト700/実技750)が必要です。これに対し、京芸以外のほとんどの国公立芸大では、主要コースに必要な共通テストの科目数は3科目であり、配点率も京芸に比べると総じて低い傾向にあります。
センター試験における必要科目数の多さと配点率の高さから、京芸は「学科重視型」の芸大として有名です。しかし、合格者の得点を詳細に見てみると、実技点が合否に与える影響も非常に大きく、一概に「学科重視型」ともいい切れないことがわかります。特に美術科・工芸科では、センター試験の得点が4割程度でも合格している生徒が例年存在しています。

◆京芸美術・工芸 1250点満点
◆京芸デザイン 1450点満点
◆京芸総合芸術 1300点満点
◆金沢美工大(美術系、デザイン系、工芸専攻) 2000点満点
◆金沢美工大(芸術学専攻) 2000点満点
◆沖縄県立芸術大(デザイン専攻)前期  
◆広島市立大学 芸術学部(全専攻) 
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